懐古・回顧

アニソンや声優はアニメを観て覚えるとは限らない~私はラジオから~

大御所女性声優である林原めぐみさんが、去年、芸歴30年目にして初めてのライブを敢行した。自らがパーソナリティを務める、これまた長寿のラジオ番組の公開録音等では何曲かは歌うことはあっても、歌をメインにしたライブはずーっと演らずにきたあのメグさんが!何で、何で、オレが東京にいるうちに演ってくれなかったんだ…。2015年と今年も開催された「KING SUPER LIVE」(通称:キンスパ)にしてもそうだよ…。何でオレがまだ東京にいるうちに演ってくれなかったんだ…。正直、上京して大学に入って以来、ラジオ自体をほとんど聴かなくなって以降は心が段々と離れていっていたとはいえ、東京にいるうちはまだ駆け付けるだけの残り火はあったのに…。とか、グチってしまうぐらい、メグさんのラジオから遠ざかってから、永い永い年月が流れてしまったのでしょうね…。

(注意)これは、筆者が中高・浪人生だった1997~2003年当時の話が主です。家庭にPC(=ネット環境)や個人にガラケーが普及し出したばかりの頃で、スマホやツイッターはまだありませんでした。その辺りを考慮の上お読みください。



ラジオとの馴れ初め

ラジオは勉強のお供

未だに捨てられずにとってあるラジカセ。まさに「壊れかけのRadio」

「林原めぐみのTokyo Boogie Night」(以下、「ブギーナイト」)を毎週欠かさず聴いていたのは中高・浪人時代の計7年間だった。中学生の頃はしっかりとした家庭学習の習慣がまだあり、勉強のお供によくラジオを聴いていた。けれど、最初からいきなりブギーナイトを狙い撃ちして聴いていたワケではない。当初は、地方暮らしゆえに数少ないラジオ局の中から、音楽番組を筆頭に何となく良さげな番組を選んで聴いていた。その数少ない地元のラジオ局の中に、TBCラジオ(東北放送)という放送局があった(今でもあります)。というか、TBC以外となると、AMもFMもNHK以外に選択肢は無かった。大人になった今では、基本的に静かでマジメなNHKのラジオもむしろ好んで聴けるが、勉強中とはいえ、当時中学生だった自分にとってはNHKは娯楽性に乏しいため、TBCを聴く割合が必然多かった。

忍び寄るアニラジ

※写真はイメージであり、筆者はネコを1度も飼ったことがなく、ネコよりもイヌ派です

そんなわけで、中1の時に、食事や風呂を済ませた20~21時頃、机に向かうと同時にTBCをかけ、何か無難な音楽番組かトーク番組を聴きながら勉強をするというルーチンが形成されていった。いつも何時まで勉強していたかはその日によってまちまちだったハズだし、当然、勉強はせずに他のことをやっていた日もあったハズだ。ラジオも同じで、何時まで聴いていたかは日によりけりだったハズだし、聴かなかった日もあるハズだ。けれど、いつかの日曜日に、日付が変わる直前の11:30までTBCをかけていたのだろう。すると、聴こえてきたのがあのジングルと、あの声だった。

林原めぐみのTokyo Boogie Night


冒頭のジングル(後述)♪

「 林 原 め ぐ み の 、東 京 ブ ギ ー ナ イ ト!」

「この番組は、スターチャイルドレーベルでおなじみの、

キングレコードの提供でお送り致します」(CV:堀内賢雄)

「ん?林原めぐみって声優かなんかの人だっけ??」

って思うヒマも無く流れてくる何かのアニメのCM。CMがフェードアウトした後に聞こえてくる、ジングルのメグさんの曲「がんばって!」のサビ。サビがフェードアウトして聞こえてくる、再びのあの声と、冒頭のあいさつ。

「 林 原 め ぐ み の、東 京 ブ ギ ー ナ イ ト !」

「みなさんこんばんは、林原めぐみです!

1週間のご無沙汰いかがお過ごしだったでしょうか!?」

定型句のあいさつ後には大概、最近の東京の空模様なんかを話す。

「東京は最近めっきり寒くなってきましたが、みなさんの所はどうですか?」

最初のコーナー「早口言葉の挑戦状」では、リスナーが考えた早口言葉をメグさんが3回噛まずに言えるかどうかが試される。噛んだらリスナーはサイン色紙がもらえ、噛まなくても番組オリジナルステッカー(だったハズ)がもらえる。ゲストがいる回は、ゲストの方も早口言葉をやる。今でも、同じく声優の堀内賢雄さんがゲストの回の早口言葉を覚えている。

「スタチャ所属歌手たち、スタチャ所属歌手たち、スタチャ所属歌手たち」

※「スタチャ」はキングレコードにかつてあったレーベル「スターチャイルド」の略称。

ちなみにこの回、賢雄さんは噛んだ。そこまで覚えている。ゲストがいる回にどちらかが噛むと、メグさんとゲストとの寄書きサイン色紙がもらえる。

この後、ゲスト無しの回だと、メグさんが近況を話したり、リスナーの近況を知らせるハガキ(いわゆる「フツオタ」=「ふつうのお便り」)が読まれる。ゲストがいる回だと、それにゲストの近況報告が織り交ぜられる。誰の近況であれ、声優であるメグさんの番組である以上、何らかのアニメの話は必ず出てくる。

番組の中盤になると、何らかのアニソンが流れる。その後、再びジングルとCMを挟んでから前半同様のトークが始まり、またまた1曲かかってからジングルとCMを挟んだ後、冒頭と同じジングルが流れ出してエンディングに入る。冒頭でも流れたこのエンディングのジングルこそ、メグさんの曲であり番組タイトルでもある「Tokyo Boogie Night」なんだけど、これがまたなんと言うか、ネオン輝く東京の街中=首都高をオープンカーで駆け抜けるような情景を想わせてくれるステキな曲なんだわ!この曲をバックに、最後のコーナー「電波私物化クラブ」へ。お互いの距離の遠近を問わず、日頃相手に対して想っていることをリスナーが書いたハガキをメグさんが2,3読み上げてくれる。そして、別れのあいさつ。

「来週も絶対にSee you again. おやすみ、バイバイ」

「この番組は、スターチャイルドレーベルでおなじみの、

キングレコードの提供でお送り致しました」(やっぱりCV:堀内賢雄)

フェードアウトしていくTokyo Boogie Night …。


刷り込まれるアニソン

今、こうやって思い出しながら書いていくと懐かしさが込み上げてくるばかりなんだけど、聴き出した当初は当然懐かしさなんてものは無く、愛着すらあるハズも無かった。だけど、次第にメグさんの軽妙なトークに引き込まれていって、毎週テープに録音するようにまでなっていった。録音したからには後から繰り返し聴くことになるんだけど、そうしているうちに観たこともないアニメの主題歌も段々と刷り込まれていった。例えば、メグさんの代表曲の1つである「Give a Reason」という曲は「スレイヤーズ」というアニメの主題歌だが、作品自体は一切観たことが無い。それでも、今でもノリノリで歌える。

そうして、主にメグさんの曲に触れていくうちに、中3の時にはついにCDまで買うようになった。その時よく番組でかかっていた「question at me」というメグさんの曲は、アニメではなくて「千年王国Ⅲ銃士ヴァニーナイツ」という、恐らく当時としてもマイナーであったであろう特撮ドラマの主題歌なのだが、そのテンポと歌詞の良さに惹かれて買ってしまったのだ。さらに、同じ年にはニューアルバム「ふわり」が番組内で盛んに宣伝されるようになり、またまた刷り込まれ、これも買ってしまった。

アニラジサーフィン

※写真はイメージであり、筆者はサーフィンを1度もやったことがありませんし、今後する予定もありません

その頃にはもう、後戻りはできなくなっており、ブギーナイトを皮切りに、他の声優さんがパーソナリティを務めるラジオ番組(いわゆる「アニラジ」)を聴くようになるのにそう時間はかからなかった。とは言っても、前述の通り、我が地元ではアニラジの球数以前にラジオ局そのものが少ないため、ラジオのチューニングを合わせ、雑音が混じりながらも県外の局でやっているアニラジを聴きに行くより他は無かった。そうしてチューニングに神経を研ぎ澄ますことで、特に首都圏の文化放送や東海地区の東海ラジオ、関西圏のラジオ大阪では、各局共通して金曜から日曜にかけて、21時台から翌2時頃まではアニラジだらけ(※各局のリンクの番組表を見ると未だにその傾向があると如実に分かります)であることが分かり、聴き漁さるようになった。

その後はもう、ブギーナイトの時と同様に、その声優さんが出ている作品自体は知らなくても、人となりと楽曲は自然に覚えてしまうのだった。奥井雅美も、米倉千尋も、水樹奈々も、堀江由衣も、田村ゆかり(敬称略)もみんなそうやって覚えた。通称「ドリカン」というカウントダウン番組は、週毎に集計された人気曲をベスト10形式で発表する番組である分トークが少なめであったため、余計に曲を覚えた。そんな時期が7年も続いたことで、アニメ作品自体は観ていなくても、アニソン・声優はよく知っているという自分が一時形成されていったのだ。

アニラジ=秘密の花園

この時期は何も声優・アニソンだけに夢中になっていたわけではない。サッカーも他の音楽もドラマもミステリー小説も好きだった。しかし、サッカーや他の音楽に比べて、声優・アニソンの話題は他人と共有し辛かった。そもそも、その手の話題が上ることは無かったし、自分から口に出すのも憚られた。時代と自分の気質がマッチしていなかったのだろう。

でも、自分が好きなモノゴトは他人とも共有したい想いには中々抗えず、中3の時、ラジオを聴く習慣のあった友人Nに思い切ってブギーナイトを勧めてみた。結果、見事にNにキモがられ、みんなにもバラされてみんなからもキモがられ…なんてことにはならなかったが、声優・アニソンの話題を出すこと自体は間違いなくキモがられるというかバカにされたので、それ以降、他人からその手の話題が振られない限り、あるいは、話しても良さげな雰囲気をビンビンに感じない限りは、こちらからは一切振らないようにした。

そうやって、声優・アニソン好きな自分を隠しながら過ごすのは居心地が悪かったが、それと同時に、「自分にはそういう秘められた世界に楽しみがあるんだぜ!」という優越感にも似た感情もあった。

終わりに

ブギーナイト好きの友人は高校に入ってから2人ほどできたのだが、より広く、それ以外のアニラジ経由からも声優・アニソン好きになったという、自分と限りなく近いルーツを持った友人と出逢えたのは大学に入ってからだった。というか、今日現在までその1人しかいない。

そして、冒頭に書いた通り、大学時代はアニラジを全く聴かなくなった代わりにアニメを観る機会が増えたため、正規のルートでアニソンを覚えるようになった。次回以降でその辺り、大学時代のアニソンとの関わりを書いてみたい。

あ、結局「ラジ男」の由来って、この記事や冒頭の画像でもわかる通り、単にアニラジ好きだったからってだけなんだよね。

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